佐島340
1000円 ~5000円
逗子駅から京急バス大楠芦名口下車徒歩5分
神奈川県横須賀市芦名2丁目8-45
クーポンなし
店舗の方へクーポン掲載はこちら【横須賀 グルメレポ】佐島340 - 焼き鳥店から日本一の唐揚げ弁当が生まれた理由
隠れた名店は辺鄙な場所にある
隠れた名店というのはどういうわけか辺鄙な場所にあるものです。駅から遠い住宅街の外れとか、太股がぱんぱんになる丘の上とか、人里離れた山の麓なんかでポツンと灯りをともしている。
三浦半島の相模湾側、蛸の水揚げでも知られる横須賀市の佐島にある本格居酒屋「佐島340(さんよんまる)」もそんなポツンと一軒家な隠れた名店です。
JR逗子駅から30分ほどバスに揺られ、大楠芦名口で下車。そこからさらに5分ほど山に向かって歩いていきます。周囲には畑が広がっていて、車通りも少ない閑散とした道です。

画像出典:湘南人
それでも多くの人が訪れる理由のひとつに、ここでしか食べることのできない「日本一の唐揚げ弁当」があります。
全国各地の美味しい唐揚げを選出する「からあげグランプリ弁当部門」で「秘伝のタレ唐のり弁当」が2023年から二年連続の最高金賞を受賞している正真正銘日本一の唐揚げ弁当です。
逆境から店を救った「秘伝のタレ」
大の焼き鳥好きだったオーナーが念願の本格焼き鳥居酒屋をこの地にオープンしたのは一年遅れの東京オリンピックが開催されていた2021年7月31日。なんとその二日後に、神奈川県全域に3度目の緊急事態宣言が発令されてしまいました。飲食店では酒類の提供が禁止に。居酒屋としては出鼻を挫かれる最悪の船出です。
昼間に酒類なしで提供できるものはないだろうか。当時の店長が思案しているとき目に入ったのが厨房にあった焼き鳥のタレ。全国各地の名店を食べ歩き、研究に研究を重ねて生み出した「秘伝のタレ」です。
こうして生まれたのがこだわりの地鶏に焼き鳥用に日本酒や赤ワインを調合した秘伝のタレを絡めてカリッと揚げた「秘伝のタレ唐」をおかずに据えたのり弁でした。
唐揚げだけでなく、横浜の有名老舗のり問屋「蔦金商店」の高級のり。三浦半島の岩沢ポートリー養鶏場の卵で作るだし巻き卵など細部にまでこだわった本格のり弁です。
最初は「ロケ弁」として販売を開始しました。コロナ禍の三浦半島には遠方でのロケを自粛していた東京のテレビクルーが数多く訪れていたのです。「秘伝のタレ唐のり弁当 1080円」は瞬く間に放送関係者の間で人気のロケ弁となりました。

画像出典:湘南人
ランチは日本一の唐揚げ
放送関係者の口コミが拡散したことも後ろ盾となり「秘伝のタレ唐のり弁当」は2023年、前述のコンテストで見事グランプリを獲得しました。
現在ランチ営業は弁当のテイクアウトと定食の二刀流。定食だけでなくお弁当用の唐揚げも注文が入ってから揚げるのでいつでも熱々の揚げたてが頂けます。
唐揚げは「秘伝のタレ唐 5個780円」と「葉山ブラック 5個780円」の二種類。ハイボールに合う大人向けの唐揚げをと開発された「葉山ブラック」は衣に山椒と黒胡椒をたっぷり効かせたピリ辛の唐揚げです。こちらも2023年のからあげグランプリで金賞を受賞しています。

画像出典:佐島340
わたしもよく頂きますが、とにかく生ビールやハイボールに合う。食べてしばらくは口の中にヒリヒリとした辛みとスパイシーな旨味が残ります。タレ唐とともにこれ以上、生ビールに合う唐揚げは食べたことがありません。電車とバスを乗り継いで、わざわざ足を運ぶ価値アリの逸品です。
夜は本格居酒屋の地鶏串焼き

画像出典:湘南人
夜の本格居酒屋営業が始まると芳ばしい炭火の香りが漂い始めます。佐島340が隠れた名店であるもうひとつの理由が、地鶏の焼き鳥です。
メインメニューは「本日のおすすめ串盛 3本750円」。その日オススメの部位を3本焼いてくれます。
京都の京紅地鶏、博多地鶏、千葉県産の錦爽鶏、丹波の赤鶏、水郷赤鶏などの高級地鶏の中から部位によって銘柄を変えるだけでなく、その日一番新鮮な状態の地鶏を使用しているそうです。
特筆すべきは、鶏皮串。通常焼き鳥の鶏皮は茹でたものを焼くのでせっかくの油と旨味が逃げてしまうんだとか。それでも焼き時間を短縮できるのと煙の量を抑えられるので多くの店では一度ボイルした鶏皮を使っているそう。ところが佐島340では生のまま串に刺して焼いています。

画像出典:佐島340
時間も掛かるし、煙の量も多い。おまけにすぐ焦げてしまうので焼き上がるまでつききっきりになるそうですがそこは全国の名店を食べ歩いたオーナーの店。

画像出典:佐島340
「鶏皮で感動させられる自信があります」と料理長のラウルさんも太鼓判の鶏皮串です。
焼き鳥以外にもう一品オススメなのが料理長ラウルさん考案の「沈没オムレツ 800円」。のり弁のだし巻きにも使われている岩沢ポートリー養鶏場の卵で焼いたオムレツが溢れんばかりのデミグラスソースとチーズの海に沈没している絵画のような一皿です。

画像出典:佐島340
それもそのはず。料理長のラウルさんの名刺の肩書きには「店主・画家」とあります。店内ではラウルさんの作品も展示販売されていました。

画像出典:湘南人
唐揚げで生ビールを愉しんだ後は、こだわりの焼き鳥で日本酒をちびちびやりながら絵画鑑賞というのも乙かもしれません。
今回、佐島340に来て長年の謎が解けました。隠れた名店というのはどうして辺鄙な場所にあるのか。それはアクセスの悪さを乗り越え、多くの人が足を運ぶからだと。隠れた名店は一日にしてならず。佐島340の鶏皮串のように手間と時間を掛けて育っていくものなのだと。

画像出典:湘南人




